このサイトのほぼすべての計算機と概念——ローン、貯蓄、インフレ、投資——は、ひとつの基礎的な考え方の上に成り立っています。今日手元にあるお金は、後日受け取る同じ金額よりも価値が高い、という考え方です。その理由を理解すれば、金利や割引(ディスカウント)の背後にあるロジック、そして長期的な金融判断のほとんどが腑に落ちるはずです。
今日のお金のほうが価値が高い、3つの理由
第一に、機会費用です。今日手元にあるお金はすぐに投資や貯蓄に回せて、複利の時計を後回しではなく今すぐ動かし始められます。第二に、インフレです。購買力は時間とともに目減りするため、将来受け取る固定額は、同じ金額を今日受け取る場合より買えるものが少なくなります。第三に、不確実性です。将来お金を受け取れるという約束には、実際には受け取れないかもしれないリスクがいくらか伴いますが、すでに受け取ったお金にそのリスクはありません。
金利という形で現れる
貸し手は、後日返済するという約束と引き換えに、今日そのお金を使う自由を手放します。利息とはまさに、この時間価値のギャップを埋める対価であり、そこにリスクに応じた上乗せが加わります。ローンが、借りた金額をそのまま返せばよいのではなく、必ず利息を課すのはこれが根本の理由です。
日々の意思決定にも現れる
「今受け取るか、後で受け取るか」という選択(示談金の分割払いや繰延ボーナスなど)で、価値を等しくするには割引が必要になるのはこのためです。同じ総額でも早く貯め始めるほうが後から貯めるよりずっと強力なのも(当サイトの複利計算機が具体的に示すとおり)、長期目標を今日の物価ではなく将来のお金で語るべきなのも(当サイトのインフレ計算機で正確に計算できます)、すべて同じ原理です。
「今すぐ安く払うか、分割で多めに払うか」「今すぐ少額を取るか、後で多額を取るか」を比較するたびに、あなたは暗黙のうちにお金の時間価値の判断を下しています。それを直感任せにせず、計算機で明示的に行うほうが、たいてい良い決断につながります。